2021/05/21

85歳 駿府城公園(静岡市)で現役の人力車引きをする五條さん

◎ 駿府城公園に趣を添えて20余年 人力車の五條さん

徳川家康公が築いた駿府城跡の観光客の多い公園で人力車を引くようになって20年余り、五條さんは休日には駿府城公園に趣を添えています。
 五條さんが人力車にのめり込むようになるきっかけは、奥さんと訪れた岐阜の飛騨高山への旅行でした。それまで勤めていた食品業界紙の記者をやめて、すぐにでも人力車引きに転業したいほどであったが、家族に説得されて思い留まり、定年退職後に念願の人力車引きを始めました。

◎ 看板の表示板が物語る年月の積み重ねの痕

 営業しているのは気候の穏やかな春と秋の休日だけにしているが、それでも数限りない人数と思い出深い人を乗せています。
 他の観光地では若者の車夫が多い中で、85歳は珍しいのでないかと自慢げに語ります。料金はご覧の様な低料金でして、採算を度外視してお客との出会いと会話を楽しみにしています。

◎ 初め「駿府俥夫の会」を結成した人力車仲間

定年を機に1998年7月に賛同する仲間を集めて、12人で「駿府俥夫の会」を結成して始めました。それが15年近く前から一人で引くようになりました。
漆塗りで仕上げた人力車は約200万円で購入しました。今では心の友であり、遣り甲斐の相棒のような役割を担ってくれています。

◎ 人力車の五條さんを励ましてくれているハト

 この2羽のハトは、五條さんにとって特別な関係にあると言います。実は、10年間そばに寄り添い見守っていてくれていたハトが死んだ後、この2羽が後釜のように後を引き継いでくれていると言います。子どもではないかと感慨深げに語ってくれました。

◎ いつものところで昼食を摂る五條さん

 駿府城公園への入口は数カ所ありますが、東南の隅の近くに再建された東御門・巽櫓のところから入った本丸堀に近い所が五条さんの休憩所です。
 人力車に乗ってくれる人ばかりでなく、そばを通り過ぎる人もお客さんです。地下足袋を履き額に鉢巻をして法被を羽織った出で立ちは、公園を散策する人にとっても観光客にとってもレトロな情趣を添えてくれています。

取  材:生きがい特派員  早川 和男(中部地域担当)

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