2022/01/27

遠江円空研究会

今回は、浜松市で活動をされている「遠江円空研究会」という団体をご紹介させていただこうと思います。

ご存じの方も多いと思いますが、江戸時代の僧侶である円空さんは、仏師として生涯に12万体もの仏像を彫ったと言われていて、その作風は荒々しく豪快で…それでいて独特の優しさの溢れた仏像を作った方でした。その円空さんにあこがれて、円空さんのような仏像を彫りたいと思った仲間が集まっているのが「遠江円空研究会」です。

いろいろなお話を聞かせていただいてありがとうございました。

元々は「東海円空芸術協会」という名前で活動をされていて、中日新聞の元記者の方が指導してくれていたのですが、先生が病気になられたことで会の活動は停止してしまいました。しかし、会員達の間で意志を引き継いで続けていこうという声が上がり、「遠江円空研究会」と名前を変えて活動を再開。今の名前になってからちょうど10年なのだそうです。

普段は、浜松市東区の天竜協働センターで集まって、第2日曜日を定例会として活動をしています。初心者さんや自宅で彫ることのできない方のために、第3日曜日を特別会として設けていて、お互いにこれまで培ってきた知識やノウハウを共有しながら学びあっています。

会員は現在40名ほど。ずっと続けて来られている方もいれば、最近始めた方もいらっしゃいます。女性の方、また親子で参加されている方もいて、取材をさせていただいた当日も、とても和やかな雰囲気で皆さんが鑿を振るっておられました。

皆さん真剣に鑿を振るわれています。

現在は、新型コロナの影響で自粛していますが、年に1回円空さんの作品を見学をするバス旅行を計画したり、新年会なども行って会員同士の親睦を深めたり、そのようなコミュニケーションも大切にしてきたそうです。

何人かの方にお話を伺ってみました。

「最初は、このくらい誰でもできるじゃないかと思って始めましたが、実際にやってみると大違いでその奥深さに驚きました。円空さんの仏像は世界に類のない芸術品です」

「彫っていると夢中になって時間を忘れます。気持ちが落ち着きますね」

「最初はカッターナイフで小さい仏を彫っていましたが、だんだん道具にも凝るようになって、今ではチェーンソーや電気カンナまで揃えました(笑)。楽しいですよ」

などなどです。夫婦ゲンカをした後に「怒りをぶつけるような気持ちで鑿を振るってスッキリしたこともあります」とコッソリ教えてくれた方がいたことは聞かなかったことにしておきましょう(笑)

自分だけの円空仏が彫り上がってきます。

それと、もうひとつ付け加えておきたいことは、東日本大震災の時に「自分達も何かできることをさせていただけないか」と皆で話し合い、小さなお地蔵さんを彫って被災地の気仙沼に送るというアイディアがでました。そこで、岐阜や愛知や奈良にも円空彫りを学ぶ仲間達がいるので、その方達にも声をかけて協力をしてもらい、なんと1万9千体のお地蔵さんを「国際シャンテボランティア協会」に送ったのだそうです。きっと被災地の方々は喜んでくださったのだろうと思い、こちらも温かい気持ちになりました。

このように、円空彫りを通じて技術や心の鍛錬をし、また人と人のふれあいを大切にする「遠江円空研究会」の皆様。とても素敵な活動です。この記事を読まれて興味をお持ちの方がいらっしゃったら、下に会のホームページのリンクを貼っておきますのでご覧くださいませ。

また、令和4年の3月1日(火)~6日(日)まで、浜松市中区の「クリエート浜松」のギャラリー35室において、遠江円空研究会10周年記念作品展を開催し、会員の方達の作品を展示されるそうなので、そちらにも足をお運びいただければ嬉しいです。合掌

関連リンク: 遠江円空研究会ホームページ

取  材:生きがい特派員  丸山 敬(西部地域担当)

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