2022/11/27
「歴史散歩」~江戸の香りが残る旧東海道宿場町蒲原を歩く~
令和4年11月24日(木)はつらつ生きがい講座・歴史散歩~江戸の香りが残る旧東海道宿場町蒲原を歩く~を3名の「NPO法人旧五十嵐邸を考える会」のガイドの方々に先導していただき、蒲原宿の歴史について学びました。 江戸時代、宿場の治安維持のため宿場の東西の入口には木戸が設けられていました。旧東海道蒲原宿には、当時の町割りと木戸の位置がしっかりと残っている珍しい宿場町で木戸内626間(1.15㎞)を、当時をしのびながら32名の歴史好きの皆さんが3班に分かれ、江戸の香りが残る旧東海道蒲原宿の旧跡を力強く歩きました。
天保10年(1839年)に上棟された渡邊家土蔵は、静岡市指定文化財(土蔵と古文書3002点)に指定されています。現在も残るこの土蔵は、全国でも4~5番目に古く当時としては珍しい四方転(四方ころび)といわれる耐震工法で建てられており、三階までの23本の通し柱が中心に少し傾いています。
渡邊家に現在でも残る土蔵は、天保8年暮れから天保10年春まで足かけ3年を経て書類・公文書・芸術作品を災害から守り、後世に残すために造られた3階蔵 四方転(四方ころび)耐震工法で建てられており、安政大地震(1854年)にも耐え、当時の貴重な所蔵品や資料が現在も沢山残っています。
蔵の中に入ると当時の香りが詰まった江戸時代の歴史・芸術・民族・交通等々における多くの資料が展示されており、当家の渡邊さんから詳しく丁寧な説明をして頂きました。
江戸時代中頃まで蒲原宿には、東本陣(多芸家)と西本陣(平岡家)の2家があったそうです。現在の建物は大正時代に建てられたものですが、邸内には今も、大名の駕籠を置いたといわれる「御駕籠石」が残っています。一行は、説明を聴きながら黒塀を横に次のポイントである「旧五十嵐邸」に進んでいきます。
旧五十嵐歯科医院は、町家を洋風に増改築した擬洋風建築と呼ばれる建物で、当時の洋風建築としては珍しくガラス窓が多く開放的で下見板の白いペンキがモダンな雰囲気意を醸し出しています。今日ガイドして下さっている片瀬信江さんが、当館「旧五十嵐邸を考える会」の理事長で活躍されており、館内の貴重な所蔵品・資料を詳しく説明してくださいました。
蒲原宿東木戸から626間(1.15㎞)西の京都方向に進んだところに西木戸跡があります。江戸に向かう旅人は、この木戸から蒲原宿内を通り東木戸を抜け次の「吉原宿」に向かい旅を続けていました。逆に京都方面に向かう旅人は西木戸から次の「由比宿」にわらじを履き大変な思いで旅をしていたものと思われます。
今回の旧蒲原宿歴史散歩は、JR新蒲原駅発→東木戸→各名所・旧跡→西木戸→JR新蒲原駅着の行程(約3㎞)を和やかな雰囲気でガイドさんの説明を聴きながら2時間歩きました。みなさん疲れも見せず江戸の文化に触れて楽しむことが出来ました。
取 材:健康・生きがいづくり推進員 渡邊育子(東部地域担当)