2021/12/01

「マイクロプラスチック問題」を学ぶ

先日、清水の「東海アクアノーツ」という会社に勤務されて、自然環境の調査などに携わっている高橋信彦さん(53歳)という方のお話を聞かせていただく機会がありました。高橋さんは、静岡市の市民講座「環境大学」で環境全般について学び、ここで学んだ事を伝える環境学習講座なども開催されている方です。


環境を破壊する要素はたくさんあるのですが、今回は今世界中で注目されている「マイクロプラスチック問題」について少し学ばせていただきました。この「マイクロプラスチック問題」はとても深刻な事態であることがわかり、自分としてもいろいろと感じるところがありましたので、せっかくなのでこの場をお借りして皆様にもお話の内容をご紹介しようと思います。

笑顔の素敵な高橋信彦さん。

いろいろな写真も見せていただいたのですが、私たちの想像以上に海は人間の捨てたプラスチックゴミによって汚れています。安価で加工が楽な素材であるプラスチックは生活のさまざまな場面に使われ、私たちにたくさんの恩恵を与えてくれていますが、ひとたびゴミになった時にはなかなか分解されず、それがさまざまな悪影響を及ぼすようになっています。

例えば、魚がポリ袋をエサと間違えて食べてしまったり、プラスチックの糸に絡まって死んでしまったり、そのようなことが世界中の海で起きているのを テレビなどで見たことのある方も多いでしょうが、人によっては、「人間の暮らしが一番大切なのだから、ある程度自然が犠牲になるのは仕方がない」と思う方もいるかもしれません。しかし、そういう単純な問題ではないそうなのです。

石川県志賀町の赤住港の様子です

海に流れたプラスチックゴミは、波などに揉まれることによって砕けて小さくなっていきますが、太陽の紫外線の影響によって劣化しながら細分化されて5ミリ以下となり、それがマイクロプラスチックと呼ばれるものです。それらを魚などがエサと間違えて食べてしまい、その魚を人間が食べることで結局自分達のまいたツケが自分の元に返ってくるのです。

しかも、そのマイクロプラスチックには、さまざまな有害物質が付着することが多いのだそうです。中でもPCBと呼ばれるポリ塩化ビフェニルは、生物の体の中に入ると徐々に蓄積し、健康被害を引き起こす可能性が高いことが指摘されており、そのような危険なものが付着しているマイクロプラスチックが自分の体に入ってくるとしたら恐ろしい限りです。

マイクロプラスチックによる人体への影響は、現状では完全に明らかになっているわけではないそうですが、いずれにしても元々は自然界に存在しない人工物です。人間が自分達の都合のために作ったものを、必要がなくなったからといって無責任に捨てていい道理があるはずありません。高橋さんも「人間は少しそのような意識を考え直さなくてはならないのでは」とおっしゃっていました。

それから、高橋さんがさまざまなイベントなどに呼ばれてお話をされる時に、参加者にいつも問いかけている言葉を聞かせていただいたのですが、それは
「皆さんは、道路とかにゴミが落ちていたら拾うでしょうか」
というものでした。その問いかけを聞いて、私は恥ずかしい気持ちでいっぱいになりました。

もちろん心に余裕のある時は拾えることもありますが、毎回必ず拾うというわけではなく、時には忙しいことを口実にゴミを捨てた人間の批判だけをして、ゴミを放置して立ち去ったりすることも多々あった私です。結局、海を汚し地球を汚し人を汚すことを私も容認しているのです。

大きなゴミは片付けられてもマイクロプラスチックまでは取りきれません。

最後には、高橋さんが尊敬している江戸時代のお坊さんの詠んだ
「心より我身にひびきわが身より家国あめがしたにひびけり」
という歌を教えていただき、環境を正していくためにはまず自分自身が変わらねばならないこと。自分が変わることによって、その影響が家族に伝わり、地域の人に伝わり、さらには国・世界に伝わっていくということを語ってくださいました。

このように、とても良いお話を聞かせていただき素晴らしい学びになったのですが、せっかくの良いお話も聞いただけ・知っただけではなんの役にも立ちませんから、自分自身もできるだけ使い捨ての習慣をあらためていこうと思っています。また、このような内容は、私たちの健康・長寿ということを考えた上でもとても重要だと思いますので、この記事を読んでいただいて少しでも環境問題に関心を持っていただければ幸いだと思っています。
ありがとうございました。合掌

取  材:生きがい特派員  丸山 敬(西部地域担当)

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