2022/03/09
《ふじえだ》 春を告げる手づくり雛人形
新型コロナウイルスの感染拡大に振り回されて、季節の移ろいを楽しむ余裕さえ失いかけている昨今ですが、今回は弥生三月ひな祭りに因み「手づくり雛人形」を楽しむ皆さんを藤枝市下薮田の下薮田集会場にお訪ねしました。
この会は『生き活きライフ・楽笑クラブ』で、今回の参加者は高齢者を中心に8名の女性、そして4名のボランティアスタッフが材料を揃えたり作り方のアドバイスをしていらっしゃいました。
キッチンペーパーの芯を胴体にして、色紙で衣装や持ち物を作り、最後に可愛いお顔に頬紅も忘れずに書き入れて緋毛氈に乗せて完成です。
皆さんそれぞれに個性あふれるお雛様が並びました。
いつもならこの後ランチタイムがあり愉しい会話が弾むのですが、今回はコロナ対策のため中止してそのまま作品を持ち帰られました。
この藤枝市『生き活きライフ・楽笑クラブ』には大きく二つの特徴が挙げられます。
一つはその対象者。
藤枝市社会福祉協議会のHPを見ると、このようなサロンは○○地区住民、高齢者等のしばりがある処が多いのですが、“対象エリアなし・誰でも”との表記があり全くしばりがありません。希望者には送迎もされています。
それは『生き活きライフ・楽笑クラブ』はクラブ代表の村田紀世子さんが、10年前に村田家のリビングにお仲間が四人集まってスタートして、その友だち繋がりで発展してきたクラブだからです。
村田代表は元々静岡市で40余年間幼稚園の保育士さんとして活躍されて、ご主人の希望で藤枝の地に転居された方です。
この地で新しい絆づくりを始めたいとの熱い思いで、お仲間の輪を広げ会場も今の会場に移し、そして社協からの支援をも頂けるまでに発展成長してきたクラブです。
「地域主体の居場所サロンも良いけど、地域密着だと言いたい事も言えない時があるけど、このクラブは気兼ねなく何でも話せるのが好きです」と、市内のあちらこちらから参集されているとの事でした。活動メニューの中に「悩み相談」があるのもユニークです。
二つ目の特徴は今回の「手づくり雛人形」のような“エコアート”な作品作りです。
新聞の折込チラシなどの、家庭によくある素材や包み紙などを上手に工夫して、雛人形や鯉のぼり、七夕飾りや季節にあわせたお花の色紙などの創作活動です。
クラブには色々なゲームや運動、バス小旅行など多彩な行事メニューが揃っていますが、
参加者のお一人が「私は手先を使って“エコアート”な作品を作っている時が一番楽しいです」とお雛様の衣装を貼り合わせながらお話して下さいました。これも長い間幼稚園で働いてきた村田代表の特技が見事に生かされています。
又、村田代表には定期的に展覧会を開く程の油絵の趣味もあり、お宅に伺うと、見事な油絵が飾られていて、そんな中でこれまでの活動を振りかえって「静岡の街から転居してきて寂しく思うこともありましたが、楽笑クラブの皆さんのお陰で後半の人生を豊かに過ごすことが出来ました。若いスタッフも育ってきているので、これからもしっかり皆さんが楽笑クラブを繋げていってくれると思います」と何冊にも折重なったアルバムを眺めながら語って下さいました。
これからも、人生の大半を可愛い子供たちと歩んで来られた温和な面立ちに会員の皆さんも癒され続ける事でしょう。
『生き活きライフ・楽笑クラブ』は毎月第2火曜日(10時~12時)第4火曜日(10時~14時)の二回、藤枝市下薮田の下薮田集会場で開かれております。
◆詳細のお問い合わせは
『生き活きライフ・楽笑クラブ』 代表 村田 紀世子
電話054-638-2003
関連リンク: 藤枝市の居場所サロンのご案内『地域ふれあいガイドブック』
取 材:生きがい特派員 宮島 克実(中部地域担当)